「家族もいて、経済的にも困っていない。でも、なぜか満たされない」
――そんな気持ちを抱えたことはありませんか?
何かが足りない。
けれど、それが何なのかはっきりしない。
周囲から見れば幸せそうに見えても、自分の中では何とも言えない虚しさや焦りが広がっていく。
そんな経験をしたことがある方は少なくないはずです。
私自身もずっとそのような気持ちの中にいたことがありました。
子育ても一段落し、時間にも気持ちにもゆとりが生まれた今、自分の人生をもう一度見つめ直そうとするとき、ふと心に穴が空いているような感覚になる。
毎日が単調で、何をしても充実感が湧かない。
それは、あなたのせいではありませんし、年齢のせいでもありません。
実は、ずっと心の奥にしまい込んできた“インナーチャイルド”が、そっと声を上げ始めているのかもしれません。
これまで家族のため、社会のために頑張ってきたからこそ、自分自身の気持ちが見えにくくなってしまっているのです。
この記事では、その「満たされない」気持ちの背景にある心の仕組みをやさしく紐解いていきます。
そして、自分の心ともう一度つながるためのヒントや、日常の中で実践できる癒しのアプローチをご紹介します。少しずつ、自分らしさを取り戻していくために。
なぜ満たされないの?その正体は「心の空白」
時間にも、経済的にも余裕があるはずなのに、どこか物足りない。 心がポッカリと空いたような、何か大切なものが抜け落ちてしまったような感覚に襲われることはありませんか?
その感覚の背景には、「心の空白」があります。
これは単なる気まぐれや気分の問題ではなく、長年の“我慢”や“役割”によって後回しにされてきた「本当の自分の気持ち」に気づきはじめたサインです。
たとえば、
- 子どものためにがんばってきた
- 夫のサポートを最優先にしてきた
- 家族の“お母さん役”に徹してきた
そんな日々の中で、「私はどうしたいのか」「私は何を感じているのか」と、自分の内面に意識を向ける時間はきっと少なかったでしょう。
さらに、年齢とともに社会的な役割や期待から少しずつ自由になる一方で、「これから何を軸に生きればいいの?」という新たな問いが生まれてきます。今まで積み上げてきたものが一区切りついたからこそ、それを埋める“何か”が求められるのです。
この「心の空白」は、決してネガティブなものではありません。
それは、本来の自分と再び出会うためのスペース。あなたがこれからの人生を“誰かのため”ではなく、“自分のため”に生きる準備ができたというサインでもあるのです。
だからこそ、この違和感を無視せず、大切に扱ってあげてください。そこから始まる気づきは、あなたにとって大きな転機となるかもしれません。
「年齢のせい」じゃなく「心の声」に気づいたから
60歳になった今、ようやく「私は何が好き?」「私はどう生きたい?」という問いに向き合う余裕が生まれます。
これまでの日々は、誰かのため、家族のために尽くしてきた時間だったかもしれません。
その中で、自分自身の“好き”や“望み”を後回しにすることが当たり前になっていた方も多いでしょう。
けれど、今この瞬間から「自分の本音」に耳を澄ませる時間が持てるようになるのです。
これは、あなたが怠けているからでも、年齢を重ねたからでもありません。
むしろ、それは「本当の人生」がようやくスタートしようとしているサイン。
周囲の目や役割から少しずつ自由になり、自分のために時間を使えるようになる今こそ、心の奥からのメッセージに気づける絶好のタイミングです。
この時期に湧いてくる違和感や不安、あるいは焦燥感や涙もろさといった感情の揺らぎは、インナーチャイルドがあなたに語りかけている証拠かもしれません。
「私はこうしたかった」「私はずっと、こうしてほしかった」――そんな声に、ようやく気づけるようになったのです。
その気づきは、これからの人生を「より深く、豊かに、そして本来の自分らしく」生きるための第一歩になります。
インナーチャイルドとは?
インナーチャイルドとは、子どもの頃に感じたけれど表現できなかった感情、思い、傷ついた気持ちなどが、今も心の奥に残っている“内なる子ども”のことです。
これは心理学の分野でも注目されており、多くの人が大人になってもなお、幼い頃に形成された思考や感情に影響を受けながら生きています。
たとえば、幼少期に「泣いてはいけない」「甘えてはダメ」「いい子でいなさい」と言われて育った場合、自分の感情を抑え込むことが当たり前になってしまいます。
すると、大人になっても感情を素直に表現することが難しくなったり、自分の本音がわからなくなったりします。
もう、いい大人なのに。そんな子供の頃の影響なんてないよ。
と思われるかもしれませんが、以下のような感覚に心当たりがある方は、心の中に癒されていないインナーチャイルドが存在しているかもしれません。
- 「本当はもっと甘えたかった」
- 「私は我慢ばかりしていた」
- 「誰かに認めてほしかった」
- 「自分には価値がないと感じてしまう」
- 「迷惑をかけたくないと思ってしまう」
心にひっかかるもの、思い当たるものはありませんか?
これらはすべて、子どもの頃に十分に満たされなかった気持ちが形を変えて現れているものです。
そして、その未消化の感情が現在の「満たされない」という感覚と深く繋がっているのです。
インナーチャイルドは、あなたを責めたり困らせる存在ではありません。
むしろ、「わたしの気持ちに気づいて」と静かに訴えている存在なのです。
その声に気づき、そっと寄り添ってあげることが、自分らしさを取り戻す第一歩になります。
インナーチャイルドを癒すと、人生が少しずつ動き出す
自分の心にやさしく寄り添い、インナーチャイルドに「気づき」「声をかけて」あげることで、驚くほど心が軽くなっていきます。
それは、何か特別なことをする必要はなく、小さな意識の変化から始まります。たとえば、朝起きたときに「今日はどんな気持ち?」と自分に問いかけてみる。何かに迷ったときに、「本当はどうしたい?」と自分の気持ちを確認してみる。それだけでも、インナーチャイルドは「わかってくれてありがとう」と安心し始めるのです。
そして、次第に変化が訪れます。
- 朝が少し楽しみになる。
朝の空気を感じながら、「今日も大丈夫」と思えるようになる。 - 気になっていたことに挑戦する気力が湧く。
以前はためらっていた趣味や外出も、少しずつ「やってみよう」と思えるようになる。 - 小さなことでも幸せを感じられる。
花の香り、温かい飲み物、誰かの笑顔――日常の中にある幸せを、自然と受け取れるようになる。
また、自分自身にやさしくなれることで、他人との関係も少しずつ変わっていきます。
無理して頑張ることをやめ、「私は私でいい」と感じられるようになると、周囲の人とも自然体で関われるようになります。
インナーチャイルドを癒すことは、自分に戻っていく旅です。
そしてその旅は、決して孤独なものではありません。あなた自身の内なる声とつながることで、これまで見えなかった人生の豊かさに気づき、今までよりもっと安心して生きられるようになるのです。
ひとりで抱えないで。今こそ、自分のために一歩を
もし、この記事を読んで「私のことかもしれない」と感じたなら、それは偶然ではなく、あなた自身の心が発しているサインです。
あなたの中にいるインナーチャイルド――長いあいだ静かにしていたその存在が、そっと「気づいて」「ここにいるよ」と呼びかけているのかもしれません。
その声に耳を傾けることができるのは、今のあなただからこそではないでしょうか。
これまで、誰かのためにがんばってきたあなた。
家族のために、自分の気持ちを後回しにしてきた日々。それらを否定する必要はありません。
むしろ、そんな日々があったからこそ、今、自分自身に優しさを向ける準備が整ったのです。
私は、あなたの心の声にじっくり耳を傾け、一緒にインナーチャイルドに寄り添い、やさしく癒していくお手伝いをしています。
涙がこぼれる日も、不安でいっぱいの日も、あなたのペースでかまいません。
安心して話せる場所があるだけで、人は少しずつ変わっていけるのです。
人生の後半を、「我慢」ではなく「自分らしさ」で満たしていくために。
これからの時間を、もっとあたたかく、もっと自分らしく生きるために。
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